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「序」に代えて [昭和ガラクタ箱]

ようやくブログの方向性が見えてきました。
   時計仕掛けの「昭和館」
昨年暮れぎりぎりにブログを開設し、2回目が新年のご挨拶。ここまではブログづくりのテストでした。
何とか行けそうなので、今回からようやく、テーマに沿って進めてみようと思います。
 
 


     
 ブログタイトルの「時計仕掛け」とは、敬愛するスタンリー・キューブリック監督の映画「時計じかけのオレンジ」(1971/S46)にあやかったもの。その意味は、からくりが仕組まれたビックリり箱。何が出てくるか分からないきわものというニュアンスもあるそうです。それに「昭和館」という名前。なんとなく戦後の場末の映画館を想像できませんか。そんな訳で、このブログも奇妙奇天烈な展開になりそうです。
 
 
この写真、実は柱時計の中身です。結婚記念のプレゼントで、40年以上も前のものです。
引越しで処分するように言われたのですが、子供の頃にも同様のものをおもちゃにしていたこともあり、このアナログの精巧なメカニズムがいとおしくて、木箱だけ処分して中身はしまっておいたのです(「もったいない」の昭和スピリット?)。さすがにこれは、子供時代のものよりかなり進化しています。


 時計の全体の形は長方形の縦型で、上が文字盤、下にガラスの窓があって、振り子が見えるというものです。写真のメカは木枠内部の背中にこの状態で取り付けられていて、振り子はこの下に下がります。  
 左のぜんまい(懐かしい言葉)が針を動かす動力源。右のぜんまいが時報を打つための動力源。真ん中の長い軸に長針・短針がはめ込まれ、中央の逆「く」の字の針金と、振り子の動きが連動し、文字盤上部の小窓に日にちと曜日を表示させる仕組みでした。売りは[30日巻き]で、ぜんまいは両方ともちょうど1ヶ月に1回巻けばいいように作られていました。

 この時計が我が家に来た昭和30年代の終わり頃(1960年代半ば)から日本の経済力は飛躍的に伸び、社会のインフラは整い、家庭生活は急速に豊かになりました。けれども、物質的な豊かさと交換するかのように人々は次第に「こころ」を失い、今日のように殺伐とした時代を迎えることになります。
 この変化は、社会構造や生活基盤、あるいは価値観までもがアナログからデジタルへと劇的に転換した流れと重なるようにも思われます。例えば「孤独」や「孤立」は、まさに人間的な「継続性」を持たない「断絶した形」といえるでしょう。と言うと、デジタル化が社会をおかしくしたように聞こえるかもしれませんが、とんでもない。このブログのように、デジタルが可能にしたものは数知れず。要はいかに「こころ」を込めるか、と言うことでしょうか。

 まあ、硬いことはこの位にして、では「昭和」と「映像」がどう結びつくのか。
  それは、それまでの「文字」の時代から「映像」の時代へと大きな変化があったこと。
 そしてもうひとつ、昭和は映画がもっとも華やかに輝いていた時代であるということ。
 特に昭和の後半は、レンズや写真・現像技術、照明や音響技術、スタジオのシステムなど、いろいろな分野の先端テクノロジーを集大成する形で映像技術が著しく発達した時代であり、その底流にいわゆるアナログからデジタルへの急激な転換がある訳で、デジタル一色になりつつある今日の映像技術、更には将来の映像技術も、その基盤はまさに昭和にあったと考えていいのではないでしょうか。 

 このような観点から、「昭和」あるいは「映像」。時に「昭和と映像」。この二つのキーワードを基本テーマに展開して行こうと思います。

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コメント 5

furukaba

右巻き 左巻きのあるゼンマイ時計。
まさに昭和ですね。
by furukaba (2008-01-06 16:14) 

カメキチ

面白い展開のブログになりそうですね。アナログから始まるのもsigさんらしい。これからに期待が持てます。
by カメキチ (2008-01-07 17:26) 

おすみ

オッペケ節で昭和史と自分史を軽やかに楽しく語られる着想
お見事ですね。 大先生に対して失礼な言い方お許しください。

オッペケオッペケ それにいたしましても 先生の頭の中を
拝見したいものです。私のほうがお姉さん(残念ながら)なのに
そして立派に(?)戦争体験、罹災体験がありますのに
なんと ノホホーン と生きてきましたことでしょう。

せめて時々オッペケ昭和史でたのしく勉強させていただきます。
by おすみ (2008-01-22 21:30) 

sig

おすみさま。過分なお言葉、ありがとうございます。
昔語りがひと通り済んだら、つまらないブログになってしまうかもしれませんが、どうぞごひいきに。
by sig (2008-01-30 00:05) 

sig

いっぷくさん、こんにちは。
こんなところまで、ようこそ。
by sig (2010-11-21 13:10) 

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