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さても懐かし・昭和オッペケペ節 [昭和ガラクタ箱]

 

昭和終焉から早くも20年  

               さても懐かし「昭和オッペケペ節」

  昨年11月より巷では、三谷幸喜作・演出、ユースケ・サンタマリア、常盤貴子主演のお芝居「恐れを知らぬ川上音二郎一座」が大評判だそうです。川上音二郎はまさに「映画誕生」の端境(はざかい)期に活躍した役者です。1911年(明治44年)舞台上で死去。健在ならば必ずや日本映画黎明期の大スターとして活躍した人材だと思います。 その音二郎さんにあやかって、戦後(古い言葉になりました)昭和風情のあれこれを読み込んだ「昭和オッペケペ節」を作りました。これで一挙に昭和のおさらい。浅草の芝居小屋にでも出演なさったおつもりで、リズミカルな口調でお楽しみ頂けたら幸いです

【前口上】
  さあて、お立会いの皆々様方。平成の御世も晴れて20年を数え、目出度き所存にござりまする。ここもとお耳に供しまするは「昭和オッペケペ節」。「オッペケペ節」と申さば、「権利幸福きらいなひとに、自由湯(自由党)をば飲ませたい。オッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー」との出だし文句で明治の中ごろに大流行した自由民権運動の壮士劇、知る人ぞ知る川上音二郎の名調子。

  余談ながら川上音二郎。この御仁は、愛妻の川上貞奴とともに、新派劇の創始者と謳われる。今を去ること108年の1900年、花のパリーは万国博で演じた芝居の演目のひとつにこの「オッペケペ節」。数年前、その時録音されたとされる蝋管レコードが発見され、復刻版のCDも売り出されたとのこと。高価なために入手を断念。本家本元の口調を聞いた訳ではないけれど、そこは物書きのお遊び。「オッペケペ節」を見習って、戦後昭和のあれこれを口上口調で並べ立ててみたのがこの「昭和オッペケペ節」。子供の遊びはシリトリで並べてみるなどの凝りよう。たまに字余りがあるのもまたご愛嬌。ご用とお急ぎでないお方には、しばし若き日の思い出のよすがにと供しますれば、なにとぞご笑覧の程、請い願い上げ奉りまする~~~~。

【本調子】
あ、オッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー
 時は昭和の20年(1945)から35年(1960)頃までの物語。当時、巷に流行るもの。人間天皇ご巡幸。ビキニで早速原爆実験。アメ横、闇市、放出品。洋モク、アンパン、パンパンに、GI,MP,DDT。買い出し列車、新憲法。男女共学、民主主義。停電、ろうそく、ホヤ磨き。ロマンスシートにニュールック。ニコヨン、ヒロポン、チラリズム。日本脳炎、パンビタン。アルサロ、アメション、アナタハン。トロリーバスにワンマンカー。湯川博士にノーべル賞。朝鮮戦争勃発し、特需景気が本格化。貧乏人は麦を食え。LPレコード、スチュワデス。人造米に黄変米。ヤンキー・ゴーホーム、血のメーデー。解散招いた「バカヤロー」。ミス・ユニバースは八頭身。ジャズ全盛に、真知子巻き。街頭テレビは力道山。自衛隊発足、洞爺丸。水爆実験、オネストジョン。砂川闘争、原水協。もはや戦後ではないと、三種の神器がものを言う。

それオッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー
  神武景気にあおられて、ボディビルからマネービル。太陽族に愚連隊、シスターボーイにゲイボーイ。ロックンロールにロカビリー。チャタレイ裁判有罪で、ナベ底景気のその中で、日米安保は新時代。売春防止、全学連。神風タクシー、団地族。グラマーガール、デラックス。サックドレスにフラフープ。トランジスター・グラマーの、ファニーフェイスが大もてに。ミッチーブームに沸き立って、皇太子様ご成婚。安保闘争最悪で、東京スモッグ事始め。所得倍増約束し、「私は嘘は申しません」。JFKは初当選。人工衛星ヴォストーク、「地球は青い」とガガーリン。米ソの対立背景に、字宙時代の幕が開く。

さてオッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー
 
その間こどもの遊びでは、べーごま、ままごと、通りゃんせ。戦争ごっこ、子守歌。竹馬、漫画、紙芝居。石けり、リリアン、あんず飴。おはじき、おてだま、折り紙に、あやとり、影絵、竹がえし。凧あげ、なわとび、かくれんぼ。にらめっこ、輪まわし、指相撲。めんこ、ビー玉、日光写真。はさみ将棋に軍人将棋。ぬり絵、千代紙、着せ替え人形。草笛、写し絵、竹とんぼ。けん玉、べーごま、竹鉄砲。百連発にコルク銃。ブリキのおもちゃにセルロイド。ぬり絵、ろう石、絵書き歌。電軍ごっこに学校ごっご。だるまさんがころんだ、おしくらまんじゅう。スキー、スケート、雪合戦。羽根つき、すごろく、かるたとり。福が笑っておめでとう。
 


そりゃオッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー
 「みかんの花咲く丘」には「青い鳥」。「青い目の人形」の足には「赤い靴」。「夏の思い出」は「かもめの水兵さん」。「ちんから峠」は「里の秋」。「鞠と殿様」お国入り、「おさるのかごや」でホイサッサ。「あの町この町」「歌の町」。「赤い帽子白い帽子」の「仲良し小道」。「とんがり帽子」の「あの子はだあれ」。それは「かわいい魚屋さん」。「叱られて」「京人形」の見る夢は、「雨降りお月さん」の「花かげ」の、「夢のお馬車」の「花嫁人形」。「月の砂漠」の「兎のダンス」、「森の小人」が「みてござる」。

 <演歌>は未だ現れず、その名もゆかし歌謡曲。「りんごの唄」に始まって、「鐘の鳴る丘」「東京ブギ」。「東京の屋根の下」、「憧れのハワイ航路」を想う時、あまりの遠さに気がついて、「悲しき口笛」「落葉しぐれ」。それじゃああんまり悲しいと、「三味線ブギウギ」「トンコ節」。「東京キッド」はあきらめず、「白い花の咲く頃」にゃ、「サンフランシスコのチャイナタウン」。「あこがれの郵便馬車」で「青い山脈」越えて行こう。

はてオッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー
 テレビ、ビデオは先のこと。ラジオ・映画が主役の座。「のど自慢」。「三つの歌」。「ラジオ歌謡」に「冗談音楽」。「二十の扉」に「話の泉」。抜天級長「とんち教室」。三木鶏郎は「日曜娯楽版」。高橋圭三は「私は誰でしょう」。スポーツ中継は志村アナ。野球は小西得郎さん。みんなが待ってるドラマでは、「向う三軒両隣り」。「三太」と張り合う「さくらんぼ大将」。「ウッカリ夫人とチャッカリ夫人」。「えり子とともに」「君の名は」。美空ひばりは「りんご園の少女」。中村メイ子は「お姉さんといっしょ」。そして始まる「新諸国」。「白鳥」「笛吹き」「紅孔雀」。「やん坊、にん坊、とん坊」に、「お父さんはお人好し」。ぼ、ぼ、ぼくらは「少年探偵団」。ちょこざいな小僧は「赤胴鈴之助」。ここは「一丁目一番地」。三人娘のはしりを問えば、ひばりとチエミといづみなり。

しからば日本映画は、と問えば、「丹下左膳」は傳次郎。「忠臣蔵」は龍之介。「七つの顔」は千恵蔵で、「退屈男」は右太衛門。「銭形平次」は長谷川一夫、「鞍馬天狗」は寛寿郎。「母もの映画」は三益の愛子。子役で活躍、ひばりとトモ子。大ベテランは原節子。田中絹代に山田の五十鈴。水谷八重子に月丘夢路。高峰三枝子に高峰秀子。山本富士子に京マチ子。気鋭は中村錦之介。橋蔵、雷蔵、千代之介。三船敏郎は黒沢映画。「羅生門」をば引っ下げて、国際舞台に登場す。日活、大映、東宝と、松竹、東映の5社にして、日本映画は花ざかり。

こりゃオッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー

娯楽の王者は外国映画。豪華絢燗カラーにて、「白雪姫」はデーズニー(注・ディズニーでは語呂が合いません)。一番人気は「ターザン」で、その名も高きワイズミュラー。「凸凹コンビ」のアボットと、コステロ派手にズッコケる。「腰抜けシリーズ」ボブ・ホープ。「底抜けコンビ」はマーチン、ルイス。秘境の舞台はアフリカ、アマゾン。活劇舞台はアメリカ西部。歴史映画は旧約聖書。アクション映画はギャングスター。スリラー映画はヒチコック。

姉御女優を尋ねたら、エヴァにキャサリン、アリダ・ヴァリ。グラマー女優はイタリア勢。ロロブリジーダにマンガーノ。ソフィア・ローレン、エクバーク。マザコンごころをくすぐるは、ルシール・ボールにドリスディ。セクシー女優を尋ねたら、マルチーヌ・キャロルにアルヌール。すこし下ればマリリン・モンロー。ドモンジョ、バルドー、カルディナーレ。可憐なスターはオードリー。ナタリー・ウッドにマルティネリ。マリナ・ヴラディ、マリア・シェル。女性映画は文芸も、恋愛映画も目白押し。

中でも頼れる男性は、ゲーリー・クーパー、ジョン・ウエイン。グレゴリー・ペックにユル・ブリナー。ハドスン、ヘストン、スチュアート。反面危険な男たち。ゲーブル、ブランド、パーキンス。可愛いハンサムボーイでは、ジェームス・ディーンを筆頭に、アラン・ドロンかべルモンド。はたまたセクシーなプレスリー。こうして早くも60余年。バブルの傷を引きずって、末は奈落か自堕落か。戦後生まれも過半数。64年を数えたる、ああ昭和も遠くなりにけり
あ、オッペケペー、オッペケペー、オッペケペッポー・ペッポッポー

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コメント 2

カメキチ

オッペケペー  懐かしく、おかしく見せていただきました。映画好きの私としては、映画と俳優たちのくだりが、もうたまらなく懐かしく嬉しかったです。52387
by カメキチ (2008-01-09 15:25) 

sig

カメキチさん、コメントありがとうございます。
社会、経済、子供、歌、ラジオ、映画の順に並べてみました。
懐かしく感じていただけたとのこと。うれしいです。
by sig (2008-02-14 17:59) 

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