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昭和世代 いろいろ [昭和ガラクタ箱]

 

昭和世代  いろいろ 


 昭和は1926年に始まって1989年までの64年間(実際は元年と昭和64年は1週間ずつしかなかったため、実質62年と2週間)。神武天皇(出ました!)以来、歴代でもっとも長かった時代です。その間、大きな戦争があり、戦争をはさんで社会背景や世の中の規範、学校や家庭における教育や生活環境はめまぐるしく変わりました。

 従って、物の見方・考え方、いわゆる価値観は、生まれた年、育った年代によって大きく異なり、「昭和世代」などと十羽ひと絡げで語ることは難しいのです。そのため、便宜上「戦前派」「戦中派」「戦後派」と三つの団塊で語られてきました。
  といっても明確な線など引きようもなく、言ってみればこの三派の意識はそれぞれが断絶しているデジタル形態ではなく、相互にディゾルブし合うアナログ形態だという気がします。このあたりに幅と奥行きを持つ昭和世代の本質があるように思われます。

 で、自分はどうかと言うと、生まれは昭和16年(1941)の早生まれ。12月には太平洋戦争勃発です。記憶が芽生えたのは幸い終戦の年(1945)あたりから。身内に戦死者も無く、大きな被害にも合わずに済んだのは幸いでしたが、空襲の記憶も明確に持ち、ひもじさも、継ぎ当てズボンも十分に経験しています。

  小学校入学前の読み物は、「講談社の絵本」と兄姉たちが学んだ戦前・戦中の教科書。だから良くも悪くも当時の修身教育や倫理観といったものをかなり受け継いでいるのですが、小学校1年生からは民主化のための学制改革第一期生で、国語はひらがなの「おはなをかざる、みんないいこ」。「サイタ サイタ サクラガ サイタ」「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」も知っていますが、それではありません。折角カタカナを全部覚えたのに、ひらがなからの再出発でした。そんな訳で、実は神武天皇のことは教わっていない世代なのです。

 つまり、戦前派でないことははっきりしているのですが、戦中派と戦後派の中間という極めて座りの悪い位置におります。同年代の方はどうお考えか分かりませんが、少なくとも自分の人生は、この中途半端さをずっと引きずってきたような気がしきりにするのです。それはある意味で「両方に逃げ道を持っているうしろめたさ」といったものかもしれない。
 けれども気持ちは一途で、イソップ物語のコウモリのように、鳥か動物か、どちらが有利かを見計らってその側に付く、というような器用なことは出来ないタイプであることは確かです。

 

 


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furukaba

あらゆるもの(思想や経済、科学等々)が
目まぐるしく発展・変転した時代だったように思います。
記憶から記録へ。語り継ぎたいことが沢山ありますね。
by furukaba (2008-01-16 00:03) 

sig

「記憶から記録へ」。いいコメントを頂きました。「語り継ぐ」という大げさな構えではなく、あくまでも自分史ブログとして気軽に進めたいと思います。ありがとうございました。
by sig (2008-01-16 20:00) 

カメキチ

私は戦前派?戦中派?小学校中学校と戦中戦後にまたがっています。動物ではやはり蝙蝠?でしょうか。戦後の急激な変化に戸惑い、心ならずもあっちべったりこっちべったりまさに二股膏薬そのものの生活でした。
私の人生で強烈な記憶として残るのはやはり戦時中の出来事です。今の私はまだまだその頃の出来事をどこかに引きずっているように思えます。
sigさんのお気持ち判るような気がします。
by カメキチ (2008-01-17 10:25) 

sig

カメキチさん、コメントありがとうございました。
カメキチさんの時代は、信念を持っていてもそのように振舞えなかった時代だったのでは、と思います。そのあたりが戦後の民主教育から出発した世代と違うかもしれませんね。
by sig (2008-01-17 12:42) 

sig

アヨアン・イゴカーさん、こんばんは。
こちらまでご来館ありがとうございます。
by sig (2010-11-30 23:27) 

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