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おなじみ、赤青めがねの3D <第二弾> [昭和ガラクタ箱]

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おなじみ、赤青めがねの3D<第二弾>
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1983.11.25発行Popeye」(マガジンハウス社)より

 前回は古典的な立体写真(3Dフォト)をご覧いただきましたが、立体写真の人気には周期があるようですね。 今回は1983年の「Popeye」で特集された赤青めがね3Dをご紹介しましょう。この年は「ジョーズ3」が立体映画で公開された年でもあります。

●企業も遊びごころを持っていた頃の3D
 1983年当時、若者向け週刊誌として人気を二分していたのはマガジンハウス社の「Popeye」と講談社の「Hot-Dog」でした。私はすでに両誌のターゲットを外れ、仕事関係の資料用か、気に入った特集以外は買わなくなっていました。
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●同年の「Popeye」と「Hot-Dog」 「Hot-Dog」は当時人気のLA特集

 引越しでほとんど処分したのですが、手元に残した数冊の中に赤青メガネで楽しむ3Dを特集した「Popeye」があります。好奇心が枯渇しない限り、こういうものは捨てられません。

 この特集で特に面白いと思ったのは、メーカーが自社の広告を3Dで出稿していることです。一種の協賛広告です。おそらくマガジンハウス社の編集者が企画を持って各社を回り、広告関係部署を説得したのでしょう。「面白そうだね」「いいじゃないか」と、目立つカラー広告をわざわざやめて、目立たないどころかかえってゴチャゴチャしている風変わりなモノトーン広告をOKした企業側。今と比べて余裕を感じますね。
 立体を楽しみながら、この年この車が、この年この時計が…というあたりもお楽しみいただけたら、と思います。

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●ステレオカメラのいろいろ        ●なつかしのステレオビューアー   

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●浮いては沈む「立体映画」
 静止画の立体写真を「動く立体写真」として映画に応用しようとする考えは、当然古くからありました。一応の形が整って劇場公開されたはしりは
1930年代からのようです。けれども立体映画はいつもマイナーな感じで遠慮がちに公開され、今日に至るまで市民権を得ることができませんでした。

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P1130420.JPG●「ブワナの悪魔」1933

 例えば1933年製作の「肉の蝋人形」は、次々と殺人を犯して蝋人形館の展示に見せかけてしまうというお話ですし、1952年製作の「ブワナの悪魔」はアフリカのマサイ族や人食いライオンに襲われるお話です。

 この他マニアックなところでは、アンディ・ウォーホルも一口かんだ「悪魔のはらわた」(1973)や中国の「空飛ぶ十字剣」(1977)などがあります。こういった怪奇物や活劇物は、映画はそもそも見世物から始まったということを思えば納得できることなのですが、どうしても恐怖や陰惨な感じがついて回ります。こうした作品傾向と、何よりも赤青めがねを掛けてみることの煩わしさ、それが立体映画が敬遠される大きな要因だったように思われます。

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●こんな3Dなら大歓迎! 西部劇とミュージカル

●今、思いついた「立体映画20年周期説」
 このように見てくると、1930年代、50年代、70年代…と20年周期できましたから(90年代は調べてありませんが)、今年2010年はちょうど3D映画の当たり年ということになりませんか。その証拠に、お正月以来人気の高い3D映画「アバター」に続いて、これからも続々と3D映画の公開が決まっているようです。
 勝手なこじつけですが、ああ、なんだか自分で今思いついた「立体映画20年周期説」が本当のように思えてきましたよ。(笑)

P1120807.JPG●デジタル3D映画
「アバター」2009

 「アバター」の3D版を観るには相変わらずメガネは必要です。けれども、2時間以上もの長編をメガネを掛けたままで鑑賞できるように、目の疲労に対しても技術的な対応が図られているのです。もちろん、最新の3Dテクノロジーによる立体感は、当然ながら赤青めがねの比ではありません。
 立体映画は新しく確立されたデジタル技術で、これからは周期に関係なく一般的なものになっていくと思われます。家庭向けの立体テレビや、立体写真が撮れるカメラも売り出されるようですから。

■「赤青めがねの3D」は次回も続きます。

デル株式会社
デル株式会社

おなじみ、赤青めがねの3D <第三弾>  [昭和ガラクタ箱]

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●本年度アカデミー賞 作品賞受賞作「ハート・ロッカー」予告編

おなじみ、赤青めがねの3D <第三弾>
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 「星座」とか「地図」とか聞くと「旅」という言葉が思い起こされ、どこかロマンチックな気分になりますね。
 今回の3Dは、遊びではなく、立体画像を学術的に応用した例をご覧いただきます。「日本立体地図集」と「星の本」で、両方とも1986年に発行されたものです。
 ご覧になる場合は左目に赤、右目に青です。お間違いのないように。

●「日本立体地図集」朝日新聞社・刊
 この本は「週刊朝日百科・増刊」として発行されました。原本は元建設省国土地理院制作の「余色立体地図」によるものです。

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 日本のほぼ全体にあたるこの地形図は、上空から垂直に見た右目と左目の画像をコンピュータで赤と青に描き分けたもので、これを赤青メガネで眺めると高低が浮かび上がり、山塊や湖を立体的に認識することができます。
 そのまま見ただけでも立体感がありますが、めがねで見るとひと味ちがいます。なお、2点ほどいたずらでネガポジ反転したものを添えてみました。(地が黒い写真がネガ画像)
 これは四半世紀前の技術ですから、現在では完璧なカラーによる立体地図が完成しているのではないでしょうか。 

P1130466.JPGP1130466b.JPG ネガ画像
●北海道西部

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●東北地方南部  

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●中部地方西部

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P1130471b.JPG ネガ画像 
●関東地方南部

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●近畿地方南部

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●九州地方北部

●「立体で見る 星の本」福音館書店・刊
 こちらは上記の陸上立体地図に対して、天空にさざめく星座を立体視できるように制作されたものです。
 私たちが仰ぐ夜空の星は、平面上に浮かんでいるかに見えます。けれども考えてみれば、一つ一つの星はそれぞれが何万光年、何億光年というとんでもない奥行きの違いを持って存在しているわけです。ここに星空の立体視の大きなねらいがある訳なのですが、そのスケールの大きさと卓抜したアイディアが結実して、この本は驚異的な星座の立体図で夜空の驚異を楽しませてくれます。
  初版は1986年。新聞広告を見て、すぐに書店に飛んで行きました。私の大好きな本です。

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●ページを開くと、左に星座のかたちと名称 右は星の配置だけが対になっている。

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●右ページは星の配置と距離の違いをしめしている。

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●左ページでは 星をつないで星座を示している。上と下は対になっている。

 本を開くと右ページは星の配置だけの立体図。左ページはその星の配置に線が引かれて、親しみやすい名前の星座として認識できるようになっています。それぞれの星座にまつわる神話などを思い起こしながらご覧頂くと、興趣もひとしおだと思います。
 この本は自然や星空を愛する人たちにとても人気があり、初版から20年以上たった今も書店に並んでいます。(杉浦康平・北村正利 共著)

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●モニターで分かりやすいように、実際の印刷よりもコントラストを強くしてあります。


立体で見る〈星の本〉 (かがくのほん)

  • 作者: 杉浦 康平
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1986/07/01
  • メディア: 単行本

立体で見る〈星の本〉 (かがくのほん)

赤青めがねが消えたとき [昭和ガラクタ箱]

P1030925b-3.jpg   昭和ガラクタ箱―18
    赤青めがねが消えたとき
      現在の立体映画の原型は「EXPO’85
」から

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●立体映画を見るための偏光めがね  薄いグレーに見える 

 これまで3回にわたって赤青めがねによる立体写真をご覧いただきました。その鑑賞法は古典的と言えるものですが、立体写真が立体映画にまで進化した昨今では、もはや赤青めがねが用いられることはありません。
    1985年に開催された「EXPO’85」、通称「科学万博つくば‘85」。この国際イベントが立体映画の方向性を大きく転換させたのでした。

●「つくば万博」は大型立体映画のオンパレードだった
 「科学万博つくば‘85」の一番人気はIMAX(アイマックス)と3DCGの大型映像でした。ふだんの映画館では体験できないビッグスクリーンと大音響。そこでは、たくさんの企業パビリオンがこぞって、立体映画を上映しました。映像大好き人間の私は大喜びで、大型映像と立体映画のはしごを目的に「つくば万博」へ出かけて行きました。

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 私が真っ先に覗いたテーマ館は、
IMAXによる「燦鳥館(サントリー館)」でした。知識としては知っていた見上げるほどの大スクリーンを、私はここで始めて見たのでした。空を行くカナダグースの群れと並んでカメラが移動し、まさに自分もいっしょに空を飛ぶ興奮を味わったのでした。この時のIMAXは立体映画ではありませんでしたが、その臨場感は立体映画に勝るとも劣らないものでした。(私のIMAXオタクはそれ以来です)

 「富士通パビリオン」はコンピュータメーカーらしく、当時話題の3DCGを前面に打ち出して、みごとに変化する立体デザインを楽しませてくれました。

P1130429.JPG●富士通パビリオンのイメージイラスト

●時代は、偏光めがねで観る立体映画へ

 富士通の他に大スクリーンで立体映画を観られるパビリオンは「日立グループ館」「住友館」「鉄鋼館」でした。

 これらのパビリオンで入場の際手渡されるのは観賞用の特製めがねですが、それが赤青めがねではないことに技術の進化を感じたものでした。技術解説は他に譲るとして、めがねに貼り付けてあるのは薄いプラスチックの偏光板ということでした。これらのめがねは、さっそく私のガラクタ箱に加えられました。

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●いろいろな立体映画を見せてくれた企業パビリオン


 立体映画の上映には、当然、立体映画用に撮影されたフィルムが使われます。1台の映写機で上映する場合はフィルムの一コマごとに右目用、左目用と交互に焼きこまれたフィルムが用いられ、2台の映写機で上映する場合は、1台は右目用に撮影されたフィルム、もう1台は左目用に撮影されたフィルムをかけて、2台の映写機を同期させて上映する訳です。最近の3D映画はこれらの方式が更に進化したものといえるでしょう。


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●右目用、左目用に1コマずつ交互にプリントされた70ミリ立体映画フィルム

 とにかく「科学万博つくば‘
85」では、話題の大型映像、立体映画は網羅したと思います。
 ただ、富士通パビリオンの立体映画は、唯一、赤青めがねを使うものでした。これは全天周映画という方式で、ちょうどプラネタリウムのように頭上
180度の広がりにCGを投影するもので、平坦なスクリーンではないために、偏光めがねによる立体視を構成できなかったからでした。


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●「富士通パビリオン」の全天周3D・CG こちらは赤青めがねを使用

●ついでながら「立体」に関連して

 「立体」に対する私の興味は、ひとえに「映画の発達」に関する技術的側面からなのですが、3Dに関してはコンピュータの進化と共にCGの分野でも大きな変化が見られます。  

 そのひとつが「ステレオグラム」。これは1990年以降に出版界でブームになったのでご存知だと思います。これはメガネを使わないで立体視を楽しむ試みです。読売新聞の土曜日夕刊にも連載されて、すでにポピュラーなものになっていますが、裸眼で立体映画を楽しむための実験と言えなくもありませんね。

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●おなじみの、CGによるステレオ・アート

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●立って右を向いている首長竜を正面から見た感じ

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●何層もの深い奥行きを持つステレオ・アート

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●普通の写真が立体に見える偏光めがね 
 下はそのために用意された写真ページ 
 肉眼で見ても立体感が優れている写真なら、自分で写したものも立体的に見える

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ファンタスティック・ワールド

ファンタスティック・ワールド

  • 作者: 3D OFFICEコンピューターアート研究所
  • 出版社/メーカー: サニー出版
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 大型本
C.G.(コンピュータグラフィックス)ステレオグラム―驚異の3D

C.G.(コンピュータグラフィックス)ステレオグラム―驚異の3D

  • 作者: 赤瀬川 原平
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1992/11
  • メディア: 大型本
スリーディー・スケープ (Ascii‐3D‐ROM book (1))

スリーディー・スケープ (Ascii‐3D‐ROM book (1))

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: アスキー
  • 発売日: 1996/12
  • メディア: 単行本

こんな絵本はいかがです?<その一> [昭和ガラクタ箱]

P1030925b-3.jpg 昭和ガラクタ箱―19
こんな絵本はいかがです?<その一>
動く立体絵本-①
すてきなイラストに、気の利いたコメントをつけてください。


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●さわやかな春風!ドライブ日和。でも、オープンカーはちょっと問題あり。
 
ユーモアコメント募集!!
 この絵本には英文の短いコメントが付いているのですが、私には訳せません。
 下の動画をヒントに、以下のA~Fまでのイラストに楽しいコメントを付けてくださ
いませんか。ブログ下のコメント欄に「A、・・・・・・・・・~」と書いていただいて、み
んなで楽しみましょう。(ごほうびはありませんが)
 この絵本
THE  ROARING  TWENTIES」は次回にもう1回続きますが、次回
はちょっとエスカレートかも! 

IMGP8940.JPG●表紙全体

 前回まで映画史のお話を続けていましたが、私は子供の時から “本来動かないはずのものが動く”というものに興味があって、その代表格である映画が大好きになったのでした。その映画は今、立体映画の時代を迎えています。

 ところが例えば昭和の初めにも「たてばんこ」と呼ぶ立体切り絵がありましたし、印刷物でありながら動かして遊べる仕掛け絵本や、開くと飛び出すPOP UP絵本などもずいぶん古くから考えられていたようです。それを思うと、動かないものを何とか動かしたい。二次元の平面ではなく三次元の立体で見たいという願望は、人間のサガであるような気がしてくるのです。
 立体絵本ではロバート・サブダのような有名作家の作品があって、中でも私は彼の最高傑作「不思議の国のアリス」が大好きなのですが、今回は地味ながら楽しい絵本をガラクタ箱の中から取り出してみました。

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●ロバート・サブタ氏の最高傑作と称される「不思議の国のアリス」の一部
  原著の挿絵の味わいを忠実に立体化した驚異的なポップアップアートです。 

●ちょっとエッチが楽しい「THE  ROARING  TWENTIES」
 アメリカで「ローリング・トゥエンティズ」と呼ばれる1920年代。なぜかこの時代が好きなんです。それは映画の影響だと思います。

 アメリカ映画に描かれる1920年代。それは、摩天楼が立ち並び、T型フォードが道路を埋め、「コットン・クラブ」では似非(えせ)紳士とフラッパーがジャズとチャールストンの大饗宴。その裏側では、禁断の酒を巡る攻防戦で、深夜の街にマシンガンの銃声が轟く。 
 トーキー時代の映画女優はスターと呼ばれて銀幕に君臨するその陰で、失意の女性が時代の流れに翻弄されていく。善も悪もひっくるめた人間くささが溢れかえるようなバイタリティを感じるんです。
 この「THE  ROARING  TWENTIES」は、文字通り” 黄金の20年代” とも” 狂乱の20年代”とも呼ばれる奔放で明るいアメリカ人の生活をすてきなイラストで描き、ちょっとエロの小味も利かせたアダルト向けの立体絵本なんです。

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●1920年代のダンディとフラッパー       ●グローマンズ・チャイニーズシアター 1927


 http://eyevio.jp/movie/358068  ←待たずに大画面で見られます。


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                                     ●ルドルフ・ヴァレンチノ

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●表紙の下部はこうでした。


★AからFに付ける楽しいコメント、
  ひとつでも、ふたつでも、おまちしてますよ~~

●著作はこちら

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こんな絵本はいかがです?<その二> [昭和ガラクタ箱]

P1030925b-3.jpg 昭和ガラクタ箱―20
こんな絵本はいかがです?<その二>
動く立体絵本-②
小洒落たイラストに、気の利いたコメントを付けてください。

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■ユーモアコメント募集!!
 アメリカのアダルト向けポップアップブック「THE ROARING TWENTIES」の第二弾です。
 前回は6点のイラストに、とても楽しいコメントを付けていただきました。人それぞれ見方が違い、思いも付かない粋なコメントが付いて、大笑いさせていただきました。
 今回のイラストはG~Lまでの6点。エッチ度は少しスケールアップかな。

 この下の動画を参考にして、下のコメント欄に「G、・・・・・・」と書いていただいて、みんなで楽しみましょう(ごほうびはありませんが)。

 全部でなくて、ひとつでもいいんです。ぜひ、気の利いた楽しいコメントをお寄せください。


http://eyevio.jp/movie/359061 ←待たずに大画面で見られます。

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I                J


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●著作はこちら
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