ネコでもできた、ブラックベリージャムづくり [時には「平成」]
時には平成―11
ネコでもできた、ブラックベリージャムづくり
●8月。収穫したばかりのブラックベリー。多い日はこの3倍ほど採れます。
こんにちは。8月も間もなくおしまいですね。
9月の声を聞く前に、どうしてもやっておきたいことがありました。去年と今年に収穫したブラックベリーのジャムづくりです。
20年ほど前、デパオク(デパートの屋上)の園芸売り場から買ったブラックベリーの苗。それを庭の隅に植え、今や人差し指くらいの幹が何本も出ているほどに成長しているのですが、特に去年は大豊作でジャムを作りきれず、冷凍庫で1年寝かしてしまいました。
今年は収穫は少なかったのですが、その代わり去年よりも完熟を期しました。その両方を混ぜて、今年のジャムを作ろうというねらいです。
■ブラックベリーが実るまで
●庭のブラックベリーの様子です。 ●5月になると芽が大きくなってきます。
●5月末、開花。 ●6月には実がはっきりします。
●7月後半ころから熟し始めます。実は枝の先端から黒味を帯びた濃い紫色に変わります。 毎朝、黒く熟した実を収穫します。8月中旬まで毎日少しずつ収穫したものを、冷凍庫で保存します。
■ブラックベリージャムづくり
ブラックベリーのジャムづくりは、ただ煮詰めていくだけで出来上がり。ネコでもできる簡単さ。ジャムづくりの中に入らないくらいですが、これはあくまでも私流です。一度うまく行ったので、次は大好きなマーマレードを作ってみようとネットでググってみたら、もう難しくてお手上げでした。
前回は白砂糖大さじ山盛り4杯使いましたが、今回は中盛り4杯に減らしました。その分酸っぱくなるのでレモンは入れませんでしたが、それで正解でした。ブラックベリージャムの楽しみ方はいろいろあると思いますが、私はヨーグルトの上にのせて食べるのが大好きです。
●用意するものはこれだけ
●1時間ほどかけて自然解凍します。
●収穫時にへたをとって、実だけにしてあります。
●何も一切加えずに、火に掛けます。時間経過とともに果汁が溜まってきます。
●いつでもいいのですが、詰めるビンとキャップはあらかじめ煮沸消毒しておきます。これをサボると、カビが出やすくなるのです。
●適当なところで砂糖を入れます。この場合は大さじ中盛り4杯。
●焦げ付かないように、ひたすらかき回しますが、大事なことはスプーンの腹などで実をつぶすことです。やがて種のつぶつぶが分かるようになります。適度な粘り気が出てきたら火を止めます。
●漉し方はお好みですが、あまり粘りが強くなると、この工程で漉すことが困難になります。ブラックベリーはほとんどが種なので、種を漉す必要があるのです。この作業がちょっときつい。
●残った種。私は金網を使いましたが、麻袋などもいいかも。ただし、染み込んだ色は簡単には落ちません。
この種を捨てるに忍びないという方は、コーヒーメーカーでコーヒーを沸かすように熱湯を注いで、ジュースでどうぞ。
●金網の裏側をこそげ落とします。 ジャムはもう出来ましたが、濃淡のムラがあるので、良くかき混ぜます。
●瓶に詰めて出来上がりです。
冷凍庫にはこれのあと3倍ほど保存してあります。今年いっぱい大丈夫、かな?
男のおあそびにお付き合いいただき、ありがとうございました。
また今回「映画技術おもしろ発達史」においでくださった方、ごめんなさい。次回から連載に戻りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
気晴らしは、史上最「恐」のハロウィンで! [時には「平成」]
時には平成-12
気晴らしは、史上最恐のハロウィンで!
13th KAWASAKI Halloween 2009
こんにちは。いつもご来館、ありがとうございます。
ここ2ヶ月以上も、難しくて硬い映画史の記事が続いておりますが、お付き合いくださいまして、ありがとうございます。
当方、この1週間ほどパソコンの反乱に悩まされ続けて、死ぬほど辛い恐怖のあのリカバリを2度も。ようやく落ち着いたところですが、ちょっと憂さ晴らしということで、31日は「かわさきハロウィン」に行ってきました。
「かわさきハロウィン」は今年で13回目とか。私は初めて行ってみたのですが、お天気も上々で参加のみなさんは大はしゃぎ。こちらも調子に乗ってはしゃぎまくってきました。
私のカメラにすてきな笑顔をくださったみなさん。ありがとう。 楽しかった。
「かわさきハロウィン」は今年は10/30~11/1で終わってしまいましたが、雰囲気をお伝えします。
まだ未体験の方は、来年、ぜひ。
そんな訳で、今回は勝手ながら「映画技術おもしろ発達史 1900年パリ万国博」の途中ですが、1回だけちょっと息抜きさせて頂きます。予告をしておきながら申し訳ありません。
●いつも使っている写真ソフトが言うことを聞かなくて、初めてのソフトを使ったのですが、圧縮率の関係か写真がとても汚くてがっかりです。写っている皆さんには申し訳ありません。
アットホームなクリスマス [時には「平成」]
「アバター」観るなら、3Dがお勧め。 [時には「平成」]
時には平成―14
アバタも、えくぼに見えてきた。
「アバター」は、それほど蠱惑的な映画。
■映画の「今」を観るために
甘いロマンスや穏やかな詩情を求めるなら、この映画を観るのはお勧めしない。反対に、シューティングや拳闘技のテレビゲームが大好きで、怪獣映画が大好きで、戦争映画が大好きなら、絶対にお勧めだ。この映画はそれほどに暴力的だ。
遅まきながら正月休みに20世紀フォックスの話題作、ジェームズ・キャメロン監督の「アバター」を観た。昨年暮れに同社のHPで、予告編を見て感想を問うアンケートがあって、私は登場する不気味なキャラクターや怪獣からの第一印象で、3D映画によくあるゲテモノの感じを受け、「観たいと思わない」というアンサーを入れた記憶がある。
けれども、どこかにあの「ターミネーター」(1984)の、「エイリアン2」(1986)の、「タイタニック」(1997)のジェームズ・キャメロン監督が満を持しての作品だということに対する期待と、このブログで映画史を連載している関係もあって、最新の3D技術を知るためにも、きっと観に行くだろう、と思っていた。
案の定、大好きな20世紀フォックスのマークが立体になって正面に決まる動きを見ただけで、「映画はここまできたか」、と単純に感動した。
■「アバター」は娯楽映画の集大成
アバターとは、ゲーマーやブロガーにはおなじみの「分身」のことだ。
この映画の舞台は惑星パンドラ。そこはネイティブ・パンドラン(?)ナヴィ族の聖地で、彼らの信仰する大木の下に眠る激レアメタルを獲得するために、彼らを懐柔すべく、海兵隊出身の主人公ジェイクの分身がパンドラに派遣される。・・・
こうして物語は、時に「ジュラシックパーク」、時に開拓時代の西部劇、時に日本映画「モスラ」のインファント島、時にモビル・スーツ(ここではAMPスーツと呼ぶ)が、時に「スター・ウォーズ」の向こうを張る未来戦争アクション、という千変万化の様相を呈しながら展開する。ということは、娯楽映画の要素のいいとこ取り。これが面白くないはずはない。
実際に無いものを現出したり、起こってはいけない大惨事を起こして見せたりというシミュレーションは、映画のお得意分野だ。その意味で、この映画の戦闘シーンや破壊シーンのすさまじさといったらない。館内を揺るがす大音響で、これでもかこれでもかと繰り出してくるあの手この手に、ただただ圧倒されっぱなし。
■画面で活躍したのは、俳優のアバター
しかしこの映画の本当の見せ所は、CGで描かれているナヴィの主要キャラクターの動きを、実は生身の俳優が演じているところにある。
主演のサム・ワーシントン、ゾーイ・サルダナ、シガニー・ウィーバーは、全身の関節や筋肉の動きをマークできる特殊なスーツを着込み、表情の変化さえもマーキングする小型カメラを面前に取り付けられて、演技はもちろん感情の変化までコンピュータの3D座標に入力され、肉付けされた。だから、「ライオン・キング」の主人公たちに似ていなくもないパンドラのナヴィたちも、それを演じる俳優の顔なのだ。映画のキャラクターこそ、彼ら俳優のアバターなのだ。
■アバターの生い立ち
モーション・キャプチャー(またはパフォーマンス・キャプチャー) と呼ばれるこの技術を映画で実用化させたのは、2001年から公開されたピーター・ジャクソン監督の長編3部作「ロード・オブ・ザ・リングス」だった。不気味な様相で影に日向に、滅びの山を目指すフロドたちの後を付けるゴラム。
●ゴラム
このキャラクターはCGだが、実際にアンディ・サーキスという俳優が演じたものを、「WETAデジタル」によってあの怪奇な姿に変えられたものだった。
「アバター」のモーション・キャプチャーによるCG処理は、その時から飛躍的に技術力を向上させた「WETAデジタル」によるものだ。
それ以後は、アニメの「ポーラー・エクスプレス」(2005)で、銀河鉄道の車掌役のトム・ハンクスがそのままの顔つきで登場した。また、アンジェリーナ・ジョリー主演の「ベオウルフ」(2007)では全編に使われ、その延長線上にこの「アバター」はある。
■発想の元祖はウォルト・ディズニー?
モーション・キャプチャーをもっと遡ると、ウォルト・ディズニーの姿が見えてくる。
ディズニー・フリークなら本場カリフォルニアのディズニーランド、あるいはフロリダのマジックキングダムにある「大統領の館」をご存知と思う。リンカーン大統領がおもむろに椅子から立ち上がり、厳かにアメリカの独立を宣言する。米国民なら襟を正して聞き入る感動の名場面だ。
●上/「大統領の館」で演説するリンカーンのオーディオアニマトロニクス
下/ダイレクト・ティーチング
ディズニーの隣りはオーディオアニマトロニクスの男性
その演技は、写真右の人物の演技をそのまま再現したもの
オーディオアニマトロニクスと呼ばれるこのシステムは、立体を操る手法として1955年のディズニーランドオープンに向けて開発され、ダイレクト・ティーチングと呼ばれた。
ダイレクト・ティーチングは、映画が写真を動かす原理を応用している。人が演技するリンカーンの動きが、関節にセットされたスイッチによって、映画と同じ1秒間に24のパルス信号をコンピュータに送り、記憶される。それを再生すると、人の動きをそのままなぞってアニマトロニクスが演技するというものだ。リンカーン大統領はその技術を使った最高レベルのものだった。エレクトロニクスという言葉がまだ一般に知られていなかった時代に、すでにこのような発想が実用に移されていたのだった。
この技術はその後、自動車などのロボット工業に応用され、多大な経済効果を生み出すが、「アバター」はそれをおよそ50年後に、アニマトロニクスではなく3D・CGに応用したその成果と見ることができる。映画は半世紀を掛けてこの3D・CGに到達したのだ。
■通常版(2D)で観るか、3D版で観るか
超大作「アバター」は、これまでの大作に見るように、映画表現の極限を追及して止まないジェームズ・キャメロン監督の集大成であることに間違いはない。そして、惑星パンドラに棲息する奇妙な生物群は、娯楽映画のパイオニアであるジョルジュ・メリエスが1902年に製作した「月世界旅行」へのオマージュに違いない。
●ジョルジュ・メリエス「月世界旅行」1902
旅行者は月面で、植物とも動物ともつかない生物たちと遭遇する。
上映は2Dと3Dの2方式だが、絶対に3Dの上映館で観ることがお勧めだ。「アバター」の世界は二次元で描ききれるものではないからだ。
上映時間は162分。全編3D眼鏡で鑑賞というのも画期的だが、目が疲れる、頭が痛くなるという心配は無用。
また、「アバター」のストーリーは説明の要がないほど分かりやすい。だからここでは、映画の内容以外の話をすることにした。●例えば神奈川地区では、川崎駅北口「ラゾーナ川崎」5階の「109CINEMAS」がお勧め